もうすぐ直面するのは、2回目の市議選挙であるが、実はもう1回、別に市長選挙を経験していた。
驚かれたかもしれない。
当市の市長選挙は、毎回、市長派と反市長派による、男2人の一騎打ちで、どっちが勝っても大きな変化はない・・・・・そういう市長選挙がずっと続いていた。
そういう状況にウンザリしていた私は、何んと無謀にも、男2人の戦いに割って入ってしまった!女が市長選挙に立候補するなど、ここでは全くもって前代未聞であった。
だから私の立候補が新聞に出たトタン、激しい恫喝の電話がかかってきた。
早朝、ドスのきいた男の声が「
なぜ票を割るようなことをする!」と怒りを込めた大声で怒鳴った!
「既存の2人の候補者とはまったく違う選択肢を提供したい・・・・」と私は答えた。
彼の目的は、私を恐怖させ、出馬を取り消させることにあった。
だが市長選出馬を決めた時、こういうこともあろうと覚悟していた。だから驚きはしなかったが、心臓はドキドキだった。
しかし「理」はこちらにある。立候補するという私の意志を、誰も折り曲げることはできない。
それに先方は名乗らないが、恫喝している人が誰であるか、最終的には推察がついた。これが恐怖を半減させた。
私は立候補を撤回しなかった。
で、彼は私の仲間2人をも恫喝した。「
何でアイツを立候補させた!」と。
1人の仲間は、恫喝に深く脅え、市民運動を脱退し、もう1人も辞めることとなった。
こうして、それまで続けてきた市民運動は、私の立候補をきっかけに、瓦解してしまった。
なお私の立候補声明が出た翌日、共産党が女性候補を擁立した。
こうしてこの市長選は、当市初の4候補による、しかも半分は女という、前代未聞の選挙となった。
選挙結果は現職の圧勝であった。
この選挙を通して、地方の選挙が、どういう風に組み立てられるか、初めて垣間見た。
恫喝やら懐柔やらで、立候補希望者をつぶしてゆき、最終的には2人の有力候補の一騎打ちに収斂させてしまう。あるいは無投票選挙にしてしまう。
新しい風は、極めて吹きにくい構造なのだった。