市役所の西側にバス停がある。3人かければいっぱいになるような、公園によくある木製のベンチが置いてあり、その傍らに、古びた腰掛が2脚あった。
ある時、ご近所のお年寄りに、あのバス停の椅子がグラグラするのだけれど、何とかしてもらえない?・・・・と言われた。
お安い御用!チェックに行った。
2脚の腰掛のひとつはスツール型で、背もたれが無い。ウッカリすると、お年寄りなら後ろにひっくり返るかも知れない。もう1脚はカタガタとバランスが悪い。
このバス停を利用するお年寄りは多く、公園ベンチでは坐りきれない。立ったり・しゃがんだりで、バスを待つお年寄りの姿を見かねて、ご近所の誰かが、2脚の腰掛を置いてくだったのだろう。
永年風雨にさらされて、2脚の腰掛はみすぼらしい姿になっていた。
市役所の担当者にこの話をした。
市役所横のバス停のことだから、すぐチェックできる。
単純・明快な話と思っていたが、ところがドッコイ、
そうではなかった!!!!
「バス停に置いてある公園型ベンチ、あれは市が置いたモノではない。そういうことに、市は全く関与していない」と言う。
ではどこが管轄しているか?と聞くと、「分からない」という答え!?
そんなのある??????
じゃあ商工会か?青年会議所か?バス会社か?・・・と聞いても、
やっぱり「分からない」という答え!
「駅前通りの舗道に、立派なベンチが置いてある。じゃあーあれは誰が設置したの?」と聞くと、これについても「知らないと」答える!
イッタイ・ゼンタイ、どういうことなの????
要はこういうことだった。
ベンチを誰かが置くとする。不幸にしてベンチ絡みで事故が起こったとする。例えば転倒事故や、ベンチに車が突っ込んでの交通事故とか・・・・・。
すると責任は、そこにそのベンチを置いた、その団体(人)にかかってくる。そういう責任は、市を含め、誰も負えない・・・・・と言うのである。
同じ理由で、駅前歩道にベンチを置いた主は・・・・誰だか分からない。
市があのバス停にベンチを設置するなら、責任を持てる形で、きちんと設置しなければならない。そうすると、相当な金額がかかる。
そういうバス停を、あそこだけに作るわけにはいかない。公平の原則に反するから。
しかし、そんな高額なバス停を、アチコチに作る財力は無い。
だから市としては、ノータッチで行くしかない。
そういう話なのだ!
小さな話だけど、今の行政の仕事振りを象徴している。
「じゃーどうすればいいの?お年寄りに立ってろと言うの?????」
激した私は半分ケンカ腰。
「何とかしてくれない?だってそれがあなたの仕事であり、そこが、あなたの腕の見せ所でしょう?」
「分かりました。なんとか努力します」と彼は答えた。
誰が置いたかは分からないが、ある日、公園ベンチがもうひとつ増えて、お年寄りたちがゆったり坐ってバスを待つ・・・・・そういう光景にいつ巡りあえるかと、もう2ヶ月近く待っている。
しかしいまだにベンチは天から降ってこない。
たかがベンチひとつ。馬鹿げた話です。
どうも市ではラチがあきそうもない。
チチンプイプイの魔法使いやーい!