ちょっとした理由ありで、地元紙に下記のエッセーを送ったら、採用された。
【命の循環】
自給野菜の畑を耕す。化学肥料も農薬も使わないから、雑草の根元を掘り返せば、いろんな生き物がポロポロ出てくる。ミミズ、ダンゴ虫、カナブンやネキリ虫の幼虫、、、、。
カナブンとネキリ虫は害虫だから退治する。しかし命あるもの、ムダに殺生するのは辛い。そんな時「鶏がいたらなぁ」といつも思う。
3年前まで、我家には鶏が数羽いた。丸々太ったカナブンの幼虫はよほどの美味らしく、鶏たちは目の色を変え、先を争って食べた。
生餌となったカナブンの幼虫は、翌日には美しい褐色の卵に生まれ変わり、私はその「命の循環」に感謝しつつ、滋味豊な卵を味わったものである。
もっと前にはヤギもいた。クズ芋、豆殻、芋のツル等、人には不用な作物の残渣が、ヤギを通して乳と肥料に変わった。だからヤギや鶏がいなくなって以来、モノがうまく循環しない。
ちょっと面倒だが、また鶏を飼うことにしよう!カナブン成仏のため、上等な卵のため、鶏糞のため、そして快適な循環暮らしのために。