またまた憂鬱な問題が発生した。
我が家の裏を通って隣の地区への1.5キロほどの距離を、幅7・5m、工費15億円の新設道路工事が現在進行中だというのに、今度はこの地域を縦貫する県道の拡幅工事が、突然に持ち出された!
現在は4m?幅であるものを6.5m道路(センターラインがある片側1車線)と両側に歩道1mづつで、合計8.5mに拡幅するという!
昨日夕方、突然、地域の区長が来て、「地権者に道路拡幅に賛同する署名・捺印をお願いしたい」と言われた(私は県道沿いに畑を所有している)。
しかし突然に言われたって・・・・・・・・・・・なんせ初めて聞く話。
で、「地域にそのような強い要望があるかどうかも知らないので、今回の署名捺印は保留したい」と答えておいた。
すると今日、区長会の会長から、話があるとの電話。
で、今彼が帰ったところ。
ここは戸数300戸あまり、人口600人ほどの農村地域。
地形的には、山に挟まれた沢に川が流れ、川沿いに県道が走り、その周辺に人家がある。
集落としてはそれ以上先に集落がない、ドンズマリ集落。
地域は少子高齢化の波をモロに受けている。
児童数減のため、地域の保育所は10年ほど前に廃止され、
現在は小学校だけ。
今51人の生徒数が、6年後には30数人になって、
複式学級にするか、さもなくば同じ状況の近隣校と統合するか、という状況。
高齢化も進んでいて、人口減は相当なスピードで進行して行く。
そういう地域に8.5m道路が必要だろうか????と思う。
我が家はこの集落の入り口に位置し、川を挟んだ向こう側が、この県道である。
この県道、実は我が家のちょっと下まで、距離にして1キロほどが、すでに8.5m道路として整備されていて、今回は、そこから我が家の西を通って小学校までの1キロほどの距離を拡幅予定。
最終的には集落のドンズマリまで、全長4キロほど全体を、幅員8.5m道路にするつもりらしい。
現在の4m?を8.5m幅にするためには、今回の場合、建物としての家が引っかかるお宅が4軒ある。建物を半分壊すわけにはいかないから、屋敷全体を買収するか、そうでなければ反対側の川に道を張り出させるか。しかし河川が荒れる昨今、川を狭くすることは考えにくい。
小学校の子どもたちのために、歩道が必要と言うのは理解できる。
ならば歩道だけを作ればいいと思うけれど、そういう形では補助金はもらえない、と言う。
道路行政というのは、ずっと以前に計画したものが、後年になって実現化したり、
オクラになっていた計画が、何かの都合で復活したり・・・・・で、
実際の社会の現実とかみ合わないことが非常に多い。
急激な人口減少社会に突入して行かざるをえない地域に、センターラインのある片側1車線の、両側に1mづつの歩道がある、幅員8.5mの道路が必要だろうか???
高齢化が進み、高齢者世帯化が進み、高齢者夫婦の片方が倒れた時、ニッチモ・サッチモいかなくなる・・・・・・そういう現実のなかで、我々が必要としているのは、道路を8・5mに拡幅することだろうか????
安心して暮らせる介護体制であり、脳梗塞等で体に障害が残っても利用できる低床バスの導入や、安い介護タクシーの導入こそが、必要な事業では?
「地域が総意として、拡幅を望んでいるのかどうか、調べるまでは、署名捺印はできない」・・・・というのが、私の考えだった。
今回、私は県道沿いに土地を所有しているから、地権者として賛同を求められたのであるが、地権者でなかったら、何もなくて、知らされた時はすでに計画がそうとう進行していて、タイテイすでに後戻り出来ない状況になっている。
ま、議員だから、事前に了承はとられるだろうが。
それにしたって、地元は賛同しているから・・・・・と、承認を求められるだけの話。
不思議なのは、こういう話が、どこでどう起こってくるか???である。
区長会長にしても、一昨日、市から突然に地域から要望書を出すように言われ、まず地権者だけの承諾を貰わないことには、話が進められない・・・・・・ということらしい。
つまりこの手の話の出所は、「市」なのだ!
・・・・というより、多分、県から市に連絡が来るのだろう。
もちろん区長会長として、「道路拡幅は地域の悲願だ!」と言う。
「地域住民が8・5m道路を本当に望んでいるかどうか、その確認が先で、確認できるまで署名・捺印はできない」と私。
「書類は数日中に市に提出しなければならない。市から県へ、県から国に提出する。
これまでの県道拡幅工事は、県の予算でやってきたが、今後は農水省の補助金でやる。
大きな社会の枠組の中では、これを受け入れる以外、我々の道を拡幅する方法はない」と区長会長。
そう!
そうやって我々は、相変わらず道を作り続ける!
一方こういったことの反省もなく、巨額の借金を背負った財政を改革するとして、政府は社会福祉費をバッサ、バッサと切り捨てていく!!!
この狭い日本には、99もの空港があるという。
しかもこれが全て一括のプール計算。
どこがどの程度赤字なのか、
これまで全く公開されて来なかったらしい!
この小さな島国の中で、過疎の地域にも片側1車線歩道付きの8.5m道路を張り巡らし、もちろん高速道を含む多くの道路網があり、新幹線を含む鉄道網もあり、一方で空港が99もあり、しかもその上まだリニアを整備するという!!!
その結果、財政は莫大な借金を抱えてニッチモ・サッチモいかない。
辻褄あわせとして、最も弱い部分の社会福祉に大ナタを振るって・・・・・・・!
「あなたは地域の議員だろう!
地域が少しでも良くなるように努力するのが、あなたの役割だろう?
地域に根ざさない議員は、長い目で見て、活躍できないと思う・・・」と区長会長。
「我々って、ずっとその理論でやってきた。その結果が現在のテイタラクでは?・・・」と私。
結論は分かっている。
数日中に書類を出さねばならないなら、私の名前は落としていい。
私は納得の上で署名捺印したい。
それにしてもこんな大きな問題を、一両日中に地権者の賛同署名を集めるよう、指導する市がどうかしている。
ま、これまではそういう形で、コトを進めて来たのだろう。
形式的な説明会を開催して、それで住民への説明責任は済ませたとして、ほとんどの地域住民が知らぬ間に、物事が進行していく。
「明治維新の時だって、元サムラたちが決めたこと!
それ以降、いつの時代だって同じ。この国に真の民主主義なんてない」と区長会長。
そこを少しでも変えたい・・・・・・・と思うのだけれど・・・・・